8.9 課題の言語化で演習量を絞る、解けると判断した問題は飛ばす
更新日 2021年5月16日
ある程度基礎学習を終えた中級者/上級者は「どれだけの時間を勉強するか」よりも「何を勉強するか」で勝負が決まります。
逆に言えば、どれだけムダな勉強をしないか、が大事になります。
以下は、ムダな勉強の省き方を解説しますが、中級者、上級者だけにオススメの勉強法なので初学者は参考にしないでください。
演習に入る前に課題を細かく言語化することでやることを大幅に絞れます。
例えば「確率がなんとなく苦手」というレベルでの言語化だと、「青チャートの確率の問題を全部解こう」ということになってしまいます。
確率の単元の中でも、ある程度できる人なら、「既にできるタイプの問題」と「できないタイプの問題」があるはずなのに、全てを演習するのは時間のムダです。
一方で、例えば「順列や組み合わせなどの確率の基礎はできるが、想定しなきゃいけないパターンの見落としで点を失いがちだ」というレベルで言語化できたとします。
これが課題ならば、パターン出しにクセがありそうな条件設定が複雑な難問だけの演習をつめばいいことになります。
たったこれだけのことで演習量を1/5、1/10以下に絞ることができます。
演習の前に「何が課題か?」に頭を使うことで、劇的に効率を上げられるということです。
計算速度はせいぜい2~3倍しか変わりませんが、こうして課題を特定して演習量を絞ることで効率は5~10倍も変わってきます。
世の中でいう『要領がいい人』というのはこうして、自分の課題を特定し、それをピンポイントで克服する人が多いと思います。
つまりムダな努力をしない『工夫』を徹底しているわけです。
当たり前ですが、勉強の目的は、できない問題をできるようにすることです。
その意味では、解ける問題より、解けない問題の方が学べることが多い、つまり効率がいいことになります。
ですが、多くの受験生は、逆に解けない問題よりも、解ける問題に時間を使ってしまいます。
試験本番ならば解ける問題に時間を使うべきですが、試験本番までまだ期間がある場合、解けない問題だけに時間を使うべきです。
上級者になると、見た瞬間に解ける問題か苦労しそうな問題かは、ある程度見分けがつくことがあります。
何度かやったことあるなーとか、パッと見てで自信を持って「これは解ける」と思った問題は勇気を出して飛ばしてしまいましょう。
例えば私は数学の得意な単元の問題は、苦戦しそうだなと思う問題以外は飛ばしていました。
もちろん確認の意味でやることはいいとは思いますが、効率と優先順位を考えたときには、できないと思った問題に優先的に集中して取り組んだ方がいいと思います。
浮いた時間で、苦手な問題に集中することで、より早く合格圏内にたどり着けます。
本コラムのまとめ
- 中級者/上級者は「勉強時間」でなく「何をやるか」が勝負
- 課題を細かく言語化するとやることを絞れて効率が劇的に上がる
- 上級者はできると判断した問題は飛ばして、解けなそうな問題に集中することでより早く合格圏内にたどり着ける