4.10 北大/東北大/名大/阪大/九大/東工大(理系)の合格者が使用した物理問題集ランキング
更新日 2020年12月20日
Ⅰ.物理問題集ランキング:北大/東北大/名大/阪大/九大/東工大(理系)の合格者
最初に、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、東京工業大学の理系学部の合格者で、二次試験で物理を使用した50人が使った物理問題集ランキングを紹介します。
これをもとにオススメの問題集を紹介します。
物理 標準レベル問題集
旧帝/東工の物理問題集 標準 1位
物理のエッセンス 力学・波動(河合)
- 合格者の28%が使用(50人中、14人)。
- 184問(力学114問、波動70問)、例題は別。
- 河合の物理における『エッセンス』⇒『良問の風』⇒『名問の森』の最初のレベルです。
- 簡単な解説の後に問題がある形式です。
- 章の後半はやや難しくなりますが、前半は超基礎問題から始まるので、「解きながら学ぶ」一冊として最適です。
- もしエッセンスが難しく感じたら、教科書や講義系の導入書を読んでから取り組むといいと思います。
- 最初は、教科書や導入書をカンニングしながらでも構わないのでとにかく手で解き、間違えた問題を繰り返すことをオススメします。
旧帝/東工の物理問題集 標準 2位
物理のエッセンス 熱・電磁気・原子(河合)
- 合格者の26%が使用(50人中、13人)。
- 158問(熱33問、電磁気95問、原子40問)、例題は別。
- (詳細は『物理のエッセンス 力学・波動(河合)』と同じなので省略します)
旧帝/東工の物理問題集 標準 3位
リードα物理基礎・物理(数研)
- 合格者の24%が使用(50人中、12人)。
物理 中レベル問題集
良問の風 物理頻出標準入試問題集(河合)
- 合格者の18%が使用(50人中、9人)。
- 148問+論述問題。
- 河合物理における『エッセンス』⇒『良問の風』⇒『名問の森』の真ん中のレベルです。
- センター過去問から、旧帝の過去問までカバーされており、標準と応用のつなぎという位置づけで、必要な人だけが取り組むのがいいと思います。
- 具体的には『エッセンス』を終えたら一度『名問の森』にチャレンジし、『名問の森』が難しかったら『良問の風』を挟むのがいいと思います。
- おそらくこういった方針の人が多いためと思いますが、『エッセンス』『名問の森』より使用者はやや少な目です。
物理 応用レベル問題集
旧帝/東工の物理問題集 応用 1位
名問の森物理 力学・熱・波動1(河合)
- 合格者の32%が使用(50人中、16人)。
- 73問。
- 河合の物理における『エッセンス』⇒『良問の風』⇒『名問の森』の最難レベルです。
- 問題の後にすぐ解答/解説がある形式です。
- 地方国立を中心に旧帝、早慶、MARCHの過去問も織り込まれています。
- 頻出の難問/良問がカバーされています。
- この問題集にある問題をスラスラ解けるようになったら、旧帝/東工/早慶の過去問演習に取り組むのに充分なレベルになっていると思います。
- 間違えた問題を繰り返し解いて、完璧にすることをオススメします。
旧帝/東工の物理問題集 応用 3位
名問の森物理 波動2・電磁気・原子(河合)
- 合格者の28%が使用(50人中、14人)。
- 67問。
- (詳細は『名問の森物理 力学・熱・波動1(河合)』と同じなので省略します)
旧帝/東工の物理問題集 応用 2位
物理重要問題集 物理基礎・物理(数研)
- 合格者の30%が使用(50人中、15人)。
- 155問。
- A問題(139問)は頻出・標準問題で地方国立問題過去問が多く、B問題(16問)は応用問題で旧帝大や東工大の過去問もあります。
- 解説がややあっさりで、質問できる先生がいない人は注意してください。
- この問題集にある問題をスラスラ解けるようになったら、旧帝/東工/早慶の過去問演習に取り組むのにも充分なレベルになっていると思います。
- 間違えた問題を繰り返し解いて、完璧にすることをオススメします。
なお、物理を微分・積分を使って解くというコンセプトの問題集もありますが、そういった問題集を使う人はかなり少なかったです。
基本的には微積を使わなくても99%の問題は解けますので、無理にやる必要はないと思います。
ただし無理にやる必要がないだけで「微積で覚えた方が体系的に覚えられていい」と思う人は微積での解き方を覚えるのもアリです。
(東大を受験する人は、考え方を理解しておくと多少有利になるかもしれません)
また難問題集として有名な『難問題の系統とその解き方』を使っている人も思ったより少なかったです。
『難問題の系統とその解き方』はほとんどが難関校の過去問なので、志望校の過去問演習をした方が早いからかもしれません。
北大/東北大/名大/阪大/九大/東工 物理の王道ルート
まとめると北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、東京工業大学の理系学部の合格者に、最も多く使われた『物理の王道ルート』は以下になります。
難関大合格者というとたくさん問題集をこなしているイメージがあるかもしれませんが、実は演習問題集はたったの2シリーズの人がほとんどです。
間違えた問題を繰り返して、その2冊を完璧に定着させることが合格への近道です。
⇒<8.1 最重要の勉強法!同じ問題集を繰り返す>
合格した人と不合格だった人の問題集の比較
参考までに北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、東京工業大学の理系学部に合格した50人だけでなく、不合格だった41人が使った物理問題集も見てみます。
Ⅱ.物理問題集ランキング:その他の難関大合格者
主要な物理問題集について、参考までに他の大学の合格者の使用率も見てみます。
どの大学でも『物理のエッセンス』の使用者が多かったです。
前半は超基礎問題から始まるので「解きながら学ぶ一冊」として最適です。
上智MARCHの合格者の中では『良問の風』の使用者が圧倒的に多いです。
上智MARCHを狙うには『良問の風』を完璧にするのが、最短ルートだと思います。
早稲田/慶應、旧帝/東工、東大/京大となるにつれ『良問の風』の使用者が減り、『名問の森物理シリーズ』や『物理重要問題集』の使用者が多くなっています。
より難関大になるほど『良問の風』を飛ばして、『名問の森』や『物理重要問題集』に取り組んでいることが分かります。
早稲田/慶應、旧帝/東工、東大/京大を目指すには、『エッセンス』を終えたらまず『名問の森』か『物理重要問題集』にチャレンジして、難しければ『良問の風』を挟むのがいいと思います。