3.2 早稲田/慶応の合格者が使用した英単語帳/英熟語帳ランキング

更新日 2020年10月18日


Ⅰ.英単語帳/英熟語帳ランキング:早稲田/慶應の合格者


最初に早稲田大学、慶應大学の合格者で、二次試験で英語を使用した133人が使った英単語帳/英熟語帳ランキングを紹介します。

例えば『システム英単語Basic』は、アンケートを取った合格者133人の内の16%にあたる21人が使っていたということです。




これをもとにオススメの問題集を紹介します。



英単語帳 入門レベル  

早稲田/慶應合格者の英単語帳 入門 1位
システム英単語Basic(駿台)
  • 合格者の16%が使用(133人中、21人)。
  • 1550語+多義語174語。
  • 過去問8000題を分析した結果とのことで、確かに頻出単語をカバーした印象です。
  • ミニマル・フレーズのコンセプト通り、例文が最小限のシンプルなレイアウトです。
  • さくさく進めて初学者にもやさしいことが、合格者に支持された理由と思います。


早稲田/慶應合格者の英単語帳 入門 2位
速読英単語 入門編(Z会)
  • 合格者の15%が使用(133人中、20人)。
  • 705語(派生語を除く)、英文56題。
  • 「生きた単語力を創る」の見出しの通り、長文の中で英単語を学べるのが特徴です。
  • まず長文とその全訳があり、次のページに長文の中にある英単語の詳細が並びます。
  • 長文の中で英単語がどう使われているかを意識して覚えられることが、多くの合格者に支持された理由と思います。



英単語帳 標準レベル

早稲田/慶應合格者の英単語帳 標準 1位
英単語ターゲット1900(旺文社)
  • 合格者の39%が使用(133人中、52人)。
  • 1900語。
  • 「一語一義」がコンセプトで、最も頻出の意味が赤字で強調されています。
  • その英単語が出題された過去問が例文として載っています。
  • メリハリを効かせて重要な意味から学べること、過去問で実践を意識しながら学べるのが合格者の支持を得た理由と思います。


早稲田/慶應合格者の英単語帳 標準 2位
システム英単語(駿台)
  • 合格者の35%が使用(133人中、46人)。
  • 2000語+多義語184語(5訂版)。
  • 例文が最小限で、シンプルで見やすいレイアウトが特徴です。
  • さくさく進めて初学者にもやさしいことが、合格者に支持された理由と思います。
  • なお『システム英単語Basic』と『システム英単語』は3章分の単語が全く同じで、2冊を併用する人は少ないです。


早稲田/慶應合格者の英単語帳 標準 3位
速読英単語 必修編(Z会)
  • 合格者の32%が使用(133人中、43人)。
  • 1945語(派生語を除く)、英文は70題。
  • 長文の中で英単語を学べるのが特徴です。
  • まず長文とその全訳があり、次のページに長文の中にある英単語の詳細が並びます。
  • 長文の中での英単語の使われ方を意識しながら覚えられることが、多くの合格者に支持された理由と思います。




英単語帳 応用レベル

早稲田/慶應合格者の英単語帳 応用 1位
速読英単語 上級編(Z会)
  • 合格者の29%が使用(133人中、38人)。
  • 901語、多義語100語、分野別121語(英文は48題)。
  • 長文の中で英単語を学べるのが特徴です。
  • 旧帝大、早慶などの過去問を採用しており、長文自体のレベルが高いので、長文読解の学習とも言えます。
  • そのためか、速読英単語だけを使う人は少なく、他の英単語帳とあわせて使用する人が多かったです。


早稲田/慶應合格者の英単語帳 応用 2位
鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁(KADOKAWA)
  • 合格者の27%が使用(133人中、36人)。
  • 2176語+関連語1149語(2020年改訂版)。
  • 50のテーマごとに、テーマに関連する英単語がまとめられています。
  • 名前はいかついですが、決して難単語ばかりでなく、重要な英単語を抑えています。
  • 間違えやすいポイントや、重要な点にチェックポイントが記載してあり、実践的な一冊です。
  • 東大用に作られた英単語/英塾語帳ですが、早慶にも有効なことがわかります。
  • なお、早慶受験者で鉄壁を使用した36人の内、東大の併願者は11人でした。




英熟語帳

早稲田/慶應合格者の英熟語帳 1位
速読英熟語(Z会)
  • 合格者の15%が使用(133人中、20人)。
  • 熟語855、構文224(英文は60題)。
  • 速読英単語と同じく長文の中で英単語を学べるのが特徴です。




合格した人と不合格だった人の問題集の比較

参考までに、早稲田大学、慶應大学に合格した133人だけでなく、不合格だった205人が使った英単語帳/英熟語帳も見てみます。










Ⅱ.英単語帳/英熟語帳ランキング:その他の難関大合格者

主要な英単語帳/英熟語帳について、参考までに他の大学の合格者の使用率も見てみます。



標準レベルの英単語帳には、どの大学であっても『システム英単語』と『英単語ターゲット1900』の使用者が多いです。

難関大の合格者も、むやみに応用レベルをこなすのではなく、標準レベルの英単語帳を重点的にこなしていることが分かります。


応用レベルの英単語帳は、早慶や東大/京大の合格者は『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』『速読英単語 上級編』の使用者がやや多いです。

『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』は決して難しい単語だけではなく、重要でありながら間違えやすい単語について詳細にポイントが記載されており実践的な一冊です。

『速読英単語 上級編』は英単語と長文読解を同時に学べるため重宝されているものと思われます。ただし『速読英単語シリーズ』だけを使う人は少なく、他シリーズの英単語帳と併用する人が多かったです。


英熟語帳については、全体的に使用者が少な目でした。これは一部の英単語帳や英文法問題集に熟語が含まれているからかもしれません。

必要性を感じたとき以外は無理にこなす必要はないかもしれません。








Ⅲ.早慶合格者がこなした英単語帳/英熟語帳の数

高校3年間で取り組んだ冊数を見てみると、早慶に合格した人は平均で2.91冊、不合格だった人は3.22冊の英単語帳/英熟語帳をこなしていました。


実は合格した人の方が取り組んだ英単語帳/英熟語帳の数は少なかったのです。

英単語は確かに大事ですが、ある程度の段階までいくと合否を分けるのは単語量でなくて長文読解のスキルなどになってきます。

英単語暗記は、取り組んだ時間の分だけ成果が出るように感じるのでついつい時間を使ってしまいますが、得点に直結する勉強を意識してバランスを大事にした方がいいと思います。


また不合格だった人と比べたとき、合格した人は応用レベルの英単語帳は少なかったのに、入門レベルは多かったことが分かります。

むやみに応用レベルの英単語帳をこなすよりも、基礎をしっかり押さえることが合格につながる、と言えます。








Ⅳ.早慶合格者の英単語帳の組み合わせ

早稲田と慶應に合格した人が、どんな組み合わせで英単語帳を使っていたかを紹介します。



上位を見ると、『速読英単語シリーズ』を組み合わせて使う人が多かったです。

グラフとしては示しませんが、特に3冊以上の英単語帳をこなす人は速読シリーズに取り組んでいる人が多く、おそらく長文読解を兼ねて英単語を勉強する人が多いものと思われます。

なお『システム英単語Basic』と『システム英単語』は3章分の単語が全く同じであるため、この2冊を組み合わせて使う人は少なかったです。








Ⅴ.早慶合格者かつセンター英語で180点以上の人が使った英単語帳/英熟語帳

「大学の合否だけでは、英語の得点が高かったのか分からない」というツッコミのために、早慶の合格者で、かつセンター英語(筆記)が180点以上の85名が使った英単語帳/英熟語帳を紹介します。

つまり早慶合格者の中でも、特に英語が得意だった人が使った英単語帳/英熟語帳と思ってください。


合格者の問題集使用率と比較すると、『速読英単語 入門編』と『速読英単語 上級編』の使用者がやや減っています。

英単語は英単語として集中して覚えた方が、センター試験の点数につながっているのかもしれません。

ベースとなる英単語帳は別にしっかりこなし、『速読英単語』は補完的に使うといいかもしれません。